9 肺転移(乳がん術後) 女性 46(47)歳

※このアンケートは「3 リンパ節転移(乳がん術後)」と同じ患者さまです。
 
Q あなたの性別は?

  A 女性
 
Q オンコロジーで治療を受けたときの年齢を教えてください。

  A 46歳の時と47歳の時と2回
 
Q オンコロジーで治療を受けたがんを教えてください。

  A 乳癌(トリプルネガティブ)術後、抗がん剤治療後、リンパ節転移と肺転移

 
Q ステージはいくつでしたか?

  A 最初に乳がんが見つかったのは41歳の時でおそらくT2N1の状態
 

Q オンコロジー受診以前のがん治療は?ありの場合は具体的に、どんな治療でしたか?

  A あり。術前の抗がん剤のAC療法とタキソテール療法を両方とも受け、その後温存手術を受け、放射線治療も受けました。
 
Q それは効いていましたか?

  A 一旦小さくなった時期もありましたが、結局その部位がぶり返してきたため、46歳の時にオンコロジーを受診しています。
 
Q オンコロジーではどのような治療を受けられましたか?

  A 放射線治療のみ。46歳の時に治療したのは、右鎖骨周囲のリンパ節と右傍胸骨リンパ節の2カ所です。それは放射線治療によって消失しましたが、その翌年右と左の肺に1つずつ肺転移が出て、そちらに対してもオンコロジーで放射線治療を受けました。オンコロジーで受けた治療は放射線治療のみです。
 
Q オンコロジーでの治療から何年経過されていますか?

  A オンコロジーを受診してから8年半経過しており、この7年半はどこにも転移が出ていない状態が続いています。
 
Q オンコロジーで治療中や治療後に困ったことや不安だったことは?

  A オンコロジーの治療後最初の3年くらいはまたどこかに再発するのではないかと不安でした。
 
Q 治療後の経過観察はどのように過ごしてこられましたか? 何かしらの補助療法を行っていたら教えてください。

  A 都内の病院でCTや血液検査を受けて、食事に気を付けている、適度な運動をしている、ストレスをためず楽しいことをするように心がけている、岩盤浴で冷え性を改善している。
 
Q 再発や転移はありましたか? 再発や転移があった場合、どのような治療を受けられましたか?

  A なし(この7年半は)。手術後再発してリンパ節転移が出たとき、動注化学療法を行いましたが、一時的に効いたこともありましたが、また同じ場所にぶり返しました。内服のゼローダ、TS-1もしばらく飲みましたが、癌は小さくならず、むしろ増大したのですぐに止めました。
 
Q オンコロジー受診から5年以上経って、現在不安に思っていることや困っていることはありますか?気になることなどございましたらお聞かせください。

  A また何かあったら治療してもらえばなんとかなるという安心感があります。不安はありません。
 
Q オンコロジーで治療を受けて、良かったことがあったらお書きください。

  A 身体状態が良かったので、治療しているという感覚はなく、旅行気分で治療ができた。
 
Q がんになる前と現在とで人生観などに変化がありましたか?

  A 死というものと初めて向き合い、自分が生かされている意味を考えた。
 
Q オンコロジーのスタッフへ どうぞひとことお書きください。

  A 感謝の一言です。今生きていられるのは皆様のおかげです。ありがとうございます。 ありがとうございました。
 
 
<植松医師からのコメント>
患者さんは当初StageⅡと思われる乳癌が見つかり、手術前にAC療法、タキソテール治療という標準治療のしっかりとしたものを受けましたが、癌はあまり小さくならず副作用がとても強かったということを実感しておられます。その後手術を受け、術後の放射線治療も受けておられますが、わずか1年で当初は腫れていなかった鎖骨周囲のリンパ節や胸骨傍のリンパ節に転移が出ています。このリンパ節転移に対して動注療法を試されましたが、一時的に軽快したことはあっても同じ場所にまた癌がぶり返したため、手術から5年後にオンコロジーを受診して放射線治療を受けました。オンコロジーで治療したリンパ節はすぐに消失しましたが、その1年後に左右の肺に1つずつ新たな転移が出現したため、ゼローダやTS-1を少し試されましたが効果なく転移が増大したため、肺転移に対して2回目のオンコロジーの治療を受けました。この2回目の治療によって肺転移も消失し、それ以降7年半どこにも病気が出現しない状態が続いています。
この患者さんが最初の抗がん剤治療や手術の後わずか1年で当初認められなかったリンパ節に転移が出たのは、抗がん剤治療で身体の免疫力を落としてしまったからだと考えています。オンコロジーの2回目の治療の後、一切の薬物療法を行っていませんが、この7年半どこにも病気が出ていません。これは、本来はご自分の身体の力で微小転移を消失させる免疫力があったにもかかわらず、抗がん剤を受けてしまったために免疫力が低下して転移が出現したと考えるとつじつまが合います。
オンコロジーで1回治療を受けた後、左右の肺に転移が出たときもゼローダやTS-1を試して効果なく癌が増大していましたが、このような経過から患者さん自身が抗がん剤の治療が全く役に立っていないということを実感され、その後は薬物療法を行っていません。この患者さんも標準治療を受け続けていたら現在のような良好な結果には絶対にならなかっただろうと考えられる患者さんの一人でオンコロジーの奇跡の連鎖のお一人に入ります。
この方はある乳癌患者さんの会に所属しており、そちらにオンコロジー治療後に手記を寄せられておられます。これをオンコロジーのホームページに載せてみる提案をしたところ、新たに追記までしてくださいました。