インフルエンザ予防接種 再考!!!

 以前からオンコロジーでは、胸部に照射した患者さんには、インフルエンザの予防接種を受けないようにお伝えして来ました。

 これは10年近く前に、肺がんや乳がんなど胸部の疾患で、肺に放射線照射されたあと、インフルエンザの予防接種を受けた患者さんに、通常よりも明らかに広い範囲に、炎症のカゲが広がった方が何人も認められたからです。

 これまで何度も解説して来ましたが、肺に放射線が当たると、その部分には必ず炎症(肺臓炎)が起きます。丁寧に検査をすれば100%の患者さんに認められます。しかし、照射された範囲が狭ければ、症状がでることは極めて稀なので、乳がんの患者さんでは、炎症のカゲは100%でていますが、肺炎の症状がでる人は5%未満です。もちろん、カゲがあっても症状がなければ、無治療が最良の治療です。

 けれども、ホコリっぽい汚い空気を吸ったり、予防接種をしたり、無駄な抗生物質を用いたりすると、肺炎のカゲが不必要に広がって症状がでてしまい、治療が必要になる場合があります。

 放射線が当たってからしばらくの間は、サイトカインという物質の血液中濃度が高まります。また、放射線があたった部位の血管は程度の差はあっても血管壁が弱くなり物質が漏れやすくなります。そして、放射線があたった領域では組織の新陳代謝が遅れます。このようなことが絡み合って炎症という現象が起きるのですが、そこに「新たな刺激」が加わると炎症が強くなります。

 その「新たな刺激」の代表が、汚い空気、予防接種、無駄な抗生物質です。炎症を沈めるために汎用されているステロイドも逆効果になることがよくあるので、気楽に用いてはいけません。

 と、ここまでは何度となく繰り返し解説してきた内容です。

 今回、再考を促したいのは、インフルエンザの予防接種そのものの価値です。また、ノロウイルスや肺炎球菌ワクチンも同様です。

 私が、インフルエンザの予防接種というものを初めて知ったのは、今から34年前、丁度、医師国家試験の勉強をしていた頃でした。私は必然性のある勉強は結構好きなのですが、単純暗記を強要されるのが大嫌いなので、試験勉強は苦手です。国家試験という大苦行を前に、劣等生として優秀な同級生の指導のもと、なんとか毎日をしのいでいました。そのとき一人の優等生が「インフルエンザの予防接種」を受けたのです。まったく新しい試みでした。

 そして、その優等生は翌日からインフルエンザの症状を発症して、一週間近く寝込んで勉強会を欠席したのです。印象的でした。
優秀な方でしたので、そのような被害にもかかわらず、もちろん国家試験はパスして、現在は某大学医学部の教授をされています。

 世の中で、インフルエンザの予防接種が広く行われるようになってから20年くらい経過したでしょうか。相当大勢の人たちが予防接種を受けるようになりましたが、インフルエンザの発症は減っているのでしょうか? テレビの報道を見ている限り毎年大流行しています。数年前から、発症は減らないが重症化が減るという、よくわからない話も蔓延していますが、どうやって調べているのでしょう、本当なのでしょうか?

 日本脳炎や麻疹などの終生免疫が得られるウイルスとインフルエンザはまるで違います。ワクチンで本当に免疫が獲得されているのでしょうか。私の周りでは、私の影響でワクチンを打たない人がほとんどですが、インフルエンザで寝込んでいる人はほとんどいません。私自身も、生まれてから一度も打っていません。そのかわり、風邪を引きそうだと感じたら、身体を休めて睡眠や栄養を取り、ニンニクやビタミンCをいつもよりたくさん摂取しています。 
 
 ノロウイルスも毎年のように変化していくウイルスですし、肺炎という病気は基本的に混合感染といって、複数の菌が同時に感染していることが普通です。一つの菌だけのワクチンを打っても仕方がないはずです。

 私は感染症の専門家ではありませんので、莫大なデータを収集し、それを解析しながらコメントしているわけではありません。自分の経験とささやかな知識、周囲で起きていることと、世間での動向を見ながら自分自身で考えています。皆さんも自分の目で見て頭で考えて見極める習慣をつけましょう。

 収集できる事実を冷静に解析して考えていく。とんでもない嘘やごまかしが至る所に蔓延している世の中で、正しく生きていくためにはどうしても必要な能力だと思います。

 また、インフルエンザも風邪の一種なので、かかってしまったら治療の基本は栄養と睡眠なのですが、最近は薬物療法が行われるようになってしまいました。症状が軽快するまでの時間が少し短くなるだけなのになぜか特効薬扱いです。

 いろいろな種類のものが使われるようになっていますが、いずれも副作用として精神・神経系への強い影響が現れることがあるようです。がんの患者さんは精神的に不安定になりがちなこともありますので、特に影響を受けやすいかもしれません。止めた方がよいだろうと考えています。

 発熱や筋肉痛などが強くて本当につらい場合は、鎮痛・消炎・解熱剤の使用は仕方ないと思いますが、最近流行の抗ウイルス剤はインフルエンザの場合には用いない方がよいと思います。

Top