平気で嘘をつく男

 平気で嘘をつく男。マグロが泳ぎ続けていないと死んでしまうように、嘘を重ね続けることでしか生命を保てない男。嘘がばれても白々しく開き直り、小さな子供でも恥ずかしくなるような幼稚な言い逃れを続けている男。

 すでに、この世界の誰からも信用などされていないが、中身がないので腹黒い利権主義者にとっては利用しやすく、また、忖度なしでは生きていけない人を使う術には長けているので、社会から排除されずにのさばっている。

 情けないことになったと、みんなが真剣に思い良識ある行動を取らないと、社会がどうなってしまうのか、恐ろしいほど心配である。

 私が嘘をついたのではない、私の口が勝手に嘘をついたのだ。私がミスを犯したのではない、私の手足が勝手に動いてミスを犯したのだ。こんな言い逃れがまかり通る世の中では、真っ当な人間は息が詰まるか、馬鹿の振りをして虚しく過ごすしかない。

 情けないことになったと、みんなが真剣に思い良識ある行動を取らないと、社会がどうなってしまうのか、恐ろしいほどに心配である。